諸行無常 – お釈迦さまの教え –

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉を聞いたことがある人は、多いかもしれません。

この言葉は、お釈迦さまが残した数ある教えの中でも、とても大切なものの一つです。

意味は、「すべてのものは変化し、決して永遠に続くものはない」ということです。

日本では、『平家物語』の冒頭に登場する一文——

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」

この一節から、諸行無常という言葉を知っている方も多いと思います。

鐘の音が響く中で、「すべてのものが移り変わっていく」という真理が表されており、まさにこの鐘の音が「諸行無常」を象徴しています。

この言葉が仏教の、お釈迦さまの教えに基づいていることを知ることも、大切なことです。

お釈迦さまが亡くなられる前、弟子たちに残した最後の言葉があります。

「すべてのものは過ぎ去っていく。怠ることなく修行を続けなさい」

この言葉には、「すべてのものが変わり続けていく」という大切な真実が込められています。

私たちも日々、さまざまな出来事や変化と向き合いながら生きています。

けれども、どんなに良いことも、どんなに悪いことも、すべてが永遠に同じままではありません。

常に変化し続けていることを知っておくことが、大切です。

「諸行無常」という言葉は、まさにこの「変化」の真理を示しています。

たとえば、川の水は常に流れ、同じ水が二度と同じ場所を流れることはありません。

また、花が咲く季節が過ぎれば、やがて花は散り、果実も枝から落ちていきます。

それらが永遠にそこの留まることはありません。

自然のすべてが、変わり続けているのです。

私たちの人生もまた、同じように変化に満ちています。

喜びの瞬間もあれば、苦しみの時もあります。

でも、それらは決して永遠に続くものではありません。

だからこそ——

うれしいことは「今この瞬間」を大切にし、つらいときには「必ず変わっていく」と信じて、前を向く力が湧いてきます。

「諸行無常」の教えは、変化を恐れるのではなく、変化を受け入れ、柔軟に生きることの大切さを伝えています。

過去や未来にとらわれず、「今この瞬間をどう生きるか」を大切にする。

それこそが、仏教の教えにかなった生き方なのではないかと、私は感じています。

「今この瞬間を大切にし、目の前のことに精一杯取り組むこと」だと思っています。

変わりゆく世界の中で、私たちは自分の足でしっかりと歩み続け、心を込めて生きていきたいものです。

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